
どうも。
化物語の漫画が始まる前は『どーせ、つまんないだろうなぁ』と思っていたら、いい意味で裏切られて喜んでいる管理人です。
ただ原作をなぞってる感じじゃなくて、表現に工夫があったり(影の描写がお気に入り)、構成が練ってあって好きですよ。
2話ではいよいよ化物語がマガジンらしく……というか、少年漫画らしい描写が増えてきたので嬉しいです。
原作は大人向けすぎるというか、主人公の阿良々木くんへの注目度が少し低いんですよね。
こちらの漫画は、阿良々木くんがかなり主人公っぽく動いてくれて楽しいです。
今回はそういった『少年漫画らしい描写』に注目して、感想を書いていこうと思います。
(今後の展開のネタバレがあるので、『漫画で初めて化物語を読む』という方はご注意を)
阿良々木くん、少年漫画の主人公になる
小説やアニメの阿良々木くんは、物語の主人公でありながら、どこか冷めていたというか、自分から余り動こうとしないタイプじゃないですか。
どちらかというと、女の子からアプローチをかけられて、それから動く対応型というか。
それはそれでカッコイイんですけど、今回の漫画版のように、自分から女の子を守りに行くという行為には痺れました。
僕はお前のカベになってやる
![]()
(C)大暮維人/西尾維新
重し蟹に吹き飛ばされた戦場ヶ原を、阿良々木がすかさず追いかけるシーン。
2話で一番カッコイイシーンだと思います。羽の生えた影がまたニクイ演出です。
小説やアニメでは、ただ戦場ヶ原が吹き飛ばされたのを呆然と見ていただけなのに、漫画版の阿良々木くんは一味違いますね。
因みに、原作では戦場ヶ原が為す術もなくふっとばされ、阿良々木くんは忍野に一方的になじられます。
――全く。壁になってやれって言っただろう、阿良々木くん。相変わらず、肝心なときに使えない男だね。それこそ壁みたいにぼーっとしているだけがきみの能じゃないだろうに。
(化物語87Pより)
この差はなんだ。
忍と阿良々木の絆
![]()
(C)大暮維人/西尾維新
次に、上手いなーと思ったのが、忍が阿良々木の血を吸うシーン。
3つの意味で上手いです。
1,ただ忍野達を阿良々木が眺めている原作と違い、戦場ヶ原だけにスポットライトを当てず、阿良々木の存在感、存在意義を増している。
こうすることで、あくまでこの漫画の主人公は阿良々木暦なのだと読者にアピールすることができる。
2,忍に血を吸わせることで、吸血鬼の能力を活性化させる。
次の戦場ヶ原を助けるシーンへの伏線になっている。
3,単純に忍が可愛くて萌え。
個人的には2番が特に好きです。
理にかなっている。
阿良々木暦のドス黒い欲望
そして今回、一番2話、そして大暮維人先生すげえ!と思ったのが次のシーン。
![]()
(C)大暮維人/西尾維新
正直、ここまで少年誌で描くのか、と戦慄しました。
何かと言うと、
『心の中まで裸になった戦場ヶ原はすごくキレイだ』
というのは言い換えると
『俺だけがこの娘の弱みを知っている。
この娘の駄目な所、社会的に同情されるべき所を見て、自分は、阿良々木暦は、劣情を抱いている』
ということですよ。
こんな阿良々木くんの思い、小説からだって(少なくとも私は)読み取れませんよ。
大暮維人先生のオリジナルだと思います。
ここまで非道徳的な描写をするのは、踏み込んだな~と感服しました。
恥ずかしい話、私は『エア・ギア』とかをちゃんと読んでないので、大暮維人先生がどんな女の子や、どんな恋愛を描くのかよく知らないんです。
ただ、もし『エア・ギア』とかでも、こういった『女の子の弱い所って興奮するよね』っていうメッセージが散りばめられてるなら、大暮維人先生が化物語の作画になった理由もわかる気がします。
だって、化物語ほど、女の子の弱さや汚さにフォーカスした作品って、なかなか無いんだもん。
ガハラさん、ただのヒロインに成り下がる。
ここまで、阿良々木くんが少年漫画の主人公になってスゲー!って話をしてきましたけど、一方でガハラさんの描写はどうでしょうか?
結論から言うと、全体的には可もなく不可もなくで、1話と一緒かなぁ、という印象です。
ただ、このシーンの表情だけは大嫌いです。
![]()
(C)西尾維新/大暮維人
え?
なんでこの女、自分で脱いで、キメ顔までして、ちょっと恥ずかしがってんの?
誰?この変な女の人?
こんな顔、ガハラさんはしない。
百歩譲って内心では恥ずかしがってたとしても、この時点で感情を表にしてちゃダメでしょうよ。
ここで阿良々木に気を許したような表情を見せてしまうと、その後のデレた表情に価値が無くなっちゃいますよ。
ずっとツンツンしてからのデレとか、2000年前からの王道なんだから。
![]()
(C)西尾維新/大暮維人
あ、でも逆に、戦場ヶ原のお母さんは貴女のために宗教にハマったの?という質問に答える時の描写は素敵でした。
![]()
(C)大暮維人/西尾維新
単純に『違う』という答に、
『さぁね』違う『かも』と付け足すところなんか、新房監督っぽくて、かなり好きです。
漫画版の忍野メメ
最後に、漫画版の忍野ですが、個人的にはアニメ版よりカッコイイと思います。
アニメ版は『チャラいオッサン』+『どこか弱さや自信の無さを隠し持っている』という出で立ちに対して、
漫画版は『チャラいオッサン』+『既に自分の考え、生き方を定めている』という印象を持ちます。


あくまで、私の勝手な解釈ですが、
小説やアニメ版においては、忍野メメは頼れる男でありながらも、あくまで自分の発言や実力について、どこか自信が無いように見えるんですよね。
というのも、忍野メメの言葉には、『本気』が一切感じられないんですよ。
常に飄々としてるというか、感情が無いというか。
もっと言うと『自分の感情を理解していない』というか。
感情が無いのは、それは、自信がないことの顕れなんじゃないかとも、思ってしまうわけです。
でも、漫画版の忍野は、少なくとも戦場ヶ原を嗜める時の表情が、非常に苛ついているように見えます。
これは、彼が『自分なりの意見』、『自分なりの思い』を持った、一個の成熟した人間としての姿に見えるのです。
![]()
(C)大暮維人/西尾維新
今後の忍野メメがどう描写されるかは分かりませんが、今のところ、小説版やアニメ版より、忍野のキャラクターには好感が持てます。
まとめ
ということで、色々いいましたけど、2話も語りがいがあって、かなり満足しています。
アニメや小説の焼き直しではなく、少年漫画らしい阿良々木くんの活躍があったり、キャラクターの表情に変化があったりで、読んでて凄く楽しめました。
作画の大暮維人先生が、何を考えてこういった描写をしているのか?と考えるのが面白いです。
今後の展開にも期待しています。
おまけ――大久保篤による火炎姉妹
![]()
(C)大久保篤/西尾維新
私、火憐ちゃんがかな~り好きなんですけど、全く可愛くないw
なんだよ、このマカとブラックスターを足して2で割ったような女はww
おっぱいまで筋肉で出来てそうだよwww
流石は大久保先生。男らしい女を描くぜ。
ただ、後ろに下半身だけの月火ちゃんを描く辺り、分かってるな~っとニヤけてしまいました。
化物語の記事
→マガジン版【化物語】漫画の1話を読んで感想を書いてみた(展開ネタバレ有)
→月物語 つばさライオンのネタバレ!3月のライオンと西尾維新のコラボ!
→終物語がアニメ化!1話の放送日とネタバレの予想や感想に続・終物語は?
何もわかってないと思う。
注目すべき点が違う。阿良々木暦は飛ばされるのを見ることしかできなかったから阿良々木暦なのであって止められたらそれは別のやつ。
ただ、ガハラさんの表情は完全にミス。最悪。