今回は、映画『ゆるキャン△』を見てきたので、その感想を語っていきます。
見に行く前は『大人になった後のオリジナルストーリーで、本当に面白くなるの?』という不安も少しだけあったんですが、
実際に見てみると、そんな不安は一瞬で消し飛びました!!
大人になった野クルの5人が、いつもとは違う舞台で、でも、いつも通りの楽しいゆるキャンを見せてくれる、素晴らしい映画でした!
なお、ネタバレを含みますので、まだ見てない方はご注意ください。
映画「ゆるキャン△」のあらすじと感想!(ストーリーのネタバレ注意)
花火を見ながら大人になったらの夢を語り合う
まずは最初のシーン。
いつもの5人+鳥羽先生で、キャンプをしながら花火大会を見ています。
ゆるキャン△といえば冬とか、寒いシーンでのキャンプが多い印象なので、夏真っ盛りというだけで、ちょっと新鮮です。
そこで皆は、『大人になった時のキャンプ』の夢を語り合います。
このシーンが、それぞれのメンバーの性格がよく出ていて、聞いていて凄く楽しかったです。
特に千明の『薪ストーブが欲しい!』という言葉が印象に残ってます。
これはおそらく、千明があおいと恵那と一緒に山中湖に行ったときに、飯田さんに助けてもらった事が印象に残っているからでしょうし、
同時に、暖かければ恵那もちくわと一緒に冬でもキャンプしやすいんじゃないかという、千明の優しさが感じられてよかったです。
また、なでしこの『大人になったら、もっと色々な道具を揃えられて、もっと色々なことができるよね』のセリフも、凄く良かったです。
多分、これから先の映画の伏線になっていそうで、私は聞いていて、とてもワクワクしました。
大人になった野クルメンバー。みんなの職業に納得!
そして月日は流れ、いよいよ大人パートのスタートです。
まずそれぞれの職業が、まさに皆らしくて最高でした。
・リンちゃんは出版社で雑誌のライター……本好きだから納得です。
・イヌ子は小学校の先生!……ちょっと意外だったけど、確かに優しいし、ユーモアもあるし、いい先生になりそうです。
・恵那はペットのマドラーさん。犬好きな恵那にぴったりですね。
・なでしこは、なんとキャンプ用具店の店員!!……一番、『夢を叶えてる』感があって、なんだか凄く感動しました。
高校の時に出会った自分の好きなことが、そのまま職業になるなんて素敵ですね。
そしてオチは千明。
イベント会社にかつては務めていましたが、(それはそれで『らしい』と思います)
今は退職して、地元山梨の観光推進機構に就職!
これはスタッフさん、凄くリアルな職業に就かせたな、とびっくりしました!!
やまなし観光推進機構といえば、実際に山梨県にある組織で、
県や市町村、観光関係団体と連携して、山梨県のPR、地域振興を行っているグループです。
『ゆるキャン△』のイベントやツアー、企画なんかもたくさんされている組織で、
『あの千明が観光推進機構に入るのか!!』と凄く驚きました。
こういうコラボ(?)的な表現を見ると、スタッフさんとやまなし観光推進機構がお互いにコラボしあって、皆で地域やキャンプを盛り上げようとしている感じが伝わってきて、とても楽しいです。
ただ、ストーリーに目を向けると、必ずしも全員が全員、幸せでうまく行ってるとは言えない模様。
特にリンちゃんは、雑誌の企画がうまく行っていないようです。
名古屋のスイーツ・カフェ、小倉トースト特集を提案するも、ボツになります。
悪くない企画だと思うんですけど……どうやら編集長には、なにやら思惑がある様子。
このあたりも、映画の後半への大切な伏線になっています。
5人でキャンプ場を作ろう!!
そんな、ちょっと仕事がうまく行かないリンちゃんですが、千明と飲んだことをきっかけに、人生の転機が訪れます。
観光推進機構に務める千明が、とある廃墟を、なんらかの施設、地域振興に使いたいと相談。
リンがなんの気無しに「じゃあ、キャンプ場にでもすれば?」という言葉をきっかけに、あれよあれよと話が進み、5人でキャンプ場を作ってみることになりました。
このへんは千明の行動力と強引さがモノを言いましたね。
千明って、けっこう強引なところがあって、人によってはウザいと思われると思うんですけど、
(最初、リンちゃんも千明のこと苦手って言ってたし)
でも、なんだかんだ、場を盛り上げる能力とか、皆をその気にさせる能力はすごいですよね。
そして本当に、5人の手だけで、荒れ果てた山の一角を、キャンプ場にするという仕事がスタートしました。
この『荒れ果てた土地をキャンプ場として整えていく』って、なんだか『牧場物語』とか、そっち系のシミュレーションゲームを思い出して、凄くワクワクします。
あと、これは私が弱小フリーランスだから思うだけだと思うんですけど、
こういう、半分公務員的というか、『ボランティアで、自分達の理想的なキャンプ場を作ろう!』っていう活動が、物凄く楽しそうに見える……!!
家族向けスペース、ソロキャンパー、キッズスペース、ドッグランと、
それぞれの理想を詰め込んでいく、元野クルメンバー
弱小フリーランスとして生計を立ててますと、『クライアントの意向』とか、『売上げ』とか、そういうのがチラついてしまって、仕事でワクワクできない時もあるんですけど、
こういう、『自分達や、身の回りの人たちが皆楽しめるキャンプ場を作ろう!』と考えている野クルの皆が、凄く眩しくて、そういう意味でも凄く楽しそうでいいなぁ、と思います。
(仕事が楽しめないのは、私が未熟なだけだと思うんですけどね)
やっぱり手作業は大変!
ということで、5人は雑草ボーボー、枯れ木ザクザクの荒れ地を整える作業に入ります。
これが当然ながら大変!腰は痛いし、草はうまく枯れないし、全然終わる気がしません。
名付けて作業員レンジャー! おそろいの作業着が可愛かったです
そこで助けてくれたのが、地元の農家のオジサン、岡崎さん(名前違うかも!自信なし…)
5人にコツを教えてくれて、なんとか皆、作業ができるようになりました。
聞けば、千明の知り合いで、このあたりの人たちとはよく交流しているようです。
こういう、『地元の人達と頻繁に交流している』っていうのは、凄く大人として成長を感じられて好きです。
ゆるキャンって、当然ですけど、普段は高校生の少女たちのキャンプ活動を楽しむ作品なので、あまり他人は出てきません。
(旅先での出会いはいくつかありますが)
でも、千明は観光推進機構として、山梨をの地域の人々に貢献しようと日夜努力しているわけで、そういった、『他人への貢献を考えられる大人』として成長している感じが、凄く立派だと思います。
(この『大人としての成長』は、後になでしこからも強く感じることになります)
後は、このあたりのシーンでちょっと驚いたのは、恵那の持つカメラでしょうか。
彼女は広報担当として、皆の作業を撮影するカメラを持ってきていたんですが、そのカメラ……多分GoProですよね?
私もカメラには詳しくないんで確証は持てないんですが、結構なお値段がするはず……
相変わらず、恵那の使うアイテムは豪華ですなぁ。
お待ちかねのキャンプ飯ターイム!!
そして作業も順調に進み、キャンプ場としての下地ができてきたということで、一度テストキャンプを行う、元野クルメンバー。
お待ちかねのキャンプ飯の時間です。
序盤でリンちゃんがなでしこ一家にカニ鍋を振る舞われるシーンがあって、
あの時のリンちゃんもかわいくてすきなシーンですが、
私はやっぱり、ゆるキャンは5人でキャンプ飯をしているシーンが、一番かわいい&美味しそうで好きです。
今回のメニューはサーモン祭りということで、サーモンスープと石狩鍋の二段構え!!
石狩鍋は私もよく作ります。テキトーに野菜と味噌とバターと鮭を入れるだけで凄く美味しい!!
(一人暮らしで楽に野菜が採れるメニューは貴重なのです)
サーモンスープはハーブとかも使って、ちょっと難易度が高そうなんですけど、いつか作ってみたいですね!
順調だったキャンプ場作りにトラブル発生……!?
そんな順調で幸せそうな元野クルメンバーですが、彼女たちに試練が訪れます。
なんと、キャンプ場設立予定地から土器が見つかり、調査が入ることに!
そして、実際に調査したところ、どうやら遺跡跡地だったらしく、遺跡にまつわる施設を建設することになり、キャンプ場作りは頓挫することに……!
せっかく皆で頑張ってここまで作ったのに、全部水の泡……
仕方ないとは言え、やるせない気持ちになりました。
ただ、ここでのメンバーそれぞれの動きが、とてもカッコよくて素敵で、この映画一番の見せ場に感じました。
まずはイヌ子ことあおいについて。
彼女は、キャンプ場づくりが中止になったタイミングと時を同じくして、務めていた小学校が廃校になるという事態に見舞われていました。
千明にも心配され、ついあおいは「寂しいな……」と弱音を吐いてしまいますが、驚く千明に、「嘘だけどね」とすぐさま取り繕います。
ここで、彼女の『目がいつも通り』なのが最高にエモかったです。
昔のイヌ子は、人をからかうための嘘つきでしたが、
大人になったあおいは、友達を心配させまいと、優しい嘘がつけるようになる、素敵な女性に成長していました。
そして、あおいの目を見て、それを察してあおいを慰めようとする千明もまたエモい。
この二人、本当に良い友人ですね。
一方、なでしことリンちゃんは、キャンプ場作りが中止になり、時間ができたので、とある秘境の温泉にきていました。
ここでのなでしこが、本当に本当に、すっごく大人でヤバいんですよ!
リンちゃんが
『大人になったからと言って、なんでもできるわけじゃないんだよな……』
と、暗にキャンプ場が作れないことに対するショックを口にした所、
なでしこが、
『たしかに、大人になっても、子供のときに想像してたように、何でもできるようにはならないね。
でも、大人になった今だからこそ、できることだってあるよ』
『例えば?』と問いかけるリンちゃんに、
なでしこは
『私達が今、楽しいって思っていることが、色々な人に伝わって、また、楽しを伝えていく……』
リンちゃんは『凄いな、なでしこは』と返しますが、
なでしこは笑って言います。
『できるよ!
だって、一番最初に私にキャンプの楽しさを教えてくれたのは、リンちゃんだもん!』
はーーーーーーーーーーーーーーー
尊い(語彙力消失)
このセリフ、予告でも流れてまして、多分、この映画で一番大切なセリフなんですけど、
ここまでの流れを踏まえて聞くと、本当にエモいです。
まずですね、説得力が凄い。
というのも、なでしこは冒頭で言ったとおり、キャンプ用具店に務めているんですが、
そこで、キャンプ初心者の女子高生に対して、キャンドルランプを勧めるんですよ!
そうです、アニメ一期でなでしこが買った、キャンドルランプです!
他にもなでしこは、『キャンプ用具が高くて買えない……』と悩む女子高生に対して、
『最初はピクニックみたいに、日帰りでインスタントを食べるだけでも楽しいですよ。
道具はちょっとずつ揃えていけばいいんです』と、
今までの自分の経験をもとに、新たなキャンプファンに対してアドバイスをするんです。
これ即ち、彼女の言葉のとおり、
『自分の楽しい』が『誰かの楽しい』になって、そこから『いろんな人の楽しさに広がっていく』行為そのもので、
彼女は劇中で自身が言う通り、『立派な社会人になった』んだなぁと、凄く説得力をもって見ている私に刺さります。
ってゆーか、私がこうやって映画のレビューを書いているのも、
(なでしこちゃん達の活動に比べたら微々たるものですが)
推し作品の楽しさが少しでも広がれば良いなぁという思いで書いているので、今思い返してもグッとくるセリフです。
あと、後半の言葉がまたエモすぎる。
『リンちゃんならできるよ!
だって、一番最初に私にキャンプの楽しさを教えてくれたのは、リンちゃんだもん!』
ヤバない?
リンちゃんが『自分一人では何もできないんだ……』と自信を失っているところに、
『私がキャンプをしてるのは、リンちゃんのおかげだよ
私が今、キャンプの楽しさを他の人に広められるのは、リンちゃんが私にキャンプの楽しさを教えてくれたからだよ』
と言ってるわけですよ。
なにこのいい子。励ましのプロか?
マジで涙出そうになった。最高かよ、この二人…!
リンちゃんを励ますなでしこ
そんなわけで、各メンバーは、一度は中止となったキャンプ場作りを諦めず、
なんとか再開しようと決意することになります。
解決策が大人として立派すぎる
キャンプ場作りを再開するぞ!と意気込む、元野クルメンバーですが、一筋縄ではいきません。
なにせ、キャンプ場にしたい土地には遺跡跡地が見つかり、いよいよそれを活かした施設の建設計画が進んでいるのです。
これに反対し、これを上回るキャンプ場計画というのは、客観的に見て無理ゲーです。
ではどうするのか?
別の土地にキャンプ場を作るというのも、現実的ではありません。
そこで、5人がとった行動とは、
『遺跡跡地を無視するのではなく、むしろ活かし、共存し、
遺跡跡地や縄文時代のアクティビティが楽しめる、
遺跡×キャンプが楽しめる、全く新しいキャンプ場を設営する』
でした。
これは凄い。
一社会人として、素直に感動してしまいました。
こういう問題って、よくあるのは、
『相手の企画より、私達の企画のほうが儲かります!
(だから、私達の案を通してください!)』
という方法だと思うんですよ。
これはこれで悪いとは言いませんが、潰された側には遺恨も残るし、いい気はしないですよね。
でも、野クルの皆は、決して遺跡を否定せず、
むしろ、遺跡を押していきたい市の意向をくみとって、
『遺跡の見学や縄文時代の活動体験もできる、楽しいキャンプ場』という企画を作ることで、皆が幸せになれる道を作ったんですよね。
こうすれば、ただの遺跡の施設を作るよりも話題になって、より市外からの観光客も増えて、地域が活性化するし、
地域の人々から見ても、楽しいキャンプ場兼学びの場として、小学生や中学生のためにも素晴らしい施設になります。
自分たちの我の強い意見を通して、誰かに我慢させたり不幸にすることなく、
全員がより幸せに、いい結果を導き出すというのは、大人として、いちばん大切なことだと私は思っているので、
こういった道を見つけ出したリンちゃん達を、私は強く尊敬します。
そして成長するリンちゃん
ラストのシーンも色々エモかったんですけど、私が特に印象に残ったのは、リンちゃん回りのエピソードです。
まず、おじいちゃんが出てきて、皆で作ったキャンプ場を褒めてくれたのが良かったです。
ずっと登場してなかったので、もしかしてお亡くなりになったのでは……?
と途中から思ってたのもあって、
おじいちゃんが出てくれたのは嬉しかったですね。
加えて、仕事面でも、リンちゃんに進展があったのは良かったです。
映画の初めでは(おそらく本人はそこまで興味のない)『オシャレなカフェ特集』を提案してボツを喰らっていた彼女ですが、
最後には『スクーターでどこまで行ける?一人旅』的な企画を出して、見事掲載にこぎつけていました。
こういったことができるようになったのは、ひとえにキャンプ場づくりの実況記事作成の経験を通して、
『自分の経験を記事にする大切さ』や、
なでしこに言われた『自分の楽しいを人に伝える大切さ』が身についたからなわけで、
この作品を一本の映画としてみた時、リンちゃんが最初に比べて大きく成長したなと感じられて、
本当に感動しました。
あまりこのレビューでは触れませんでしたが、
リンちゃんの上司の編集長も、
こういったことをリンちゃんに伝えたくて、リンちゃんにボツを出しながら見守っていたんだな、と思うと、凄く感慨深いですね。
まとめ
というわけで、映画「ゆるキャン△」のあらすじと感想でした!
かつてゆるくキャンプを楽しんでいた少女たちが、大人として、社会人として、立派に成長する物語……。映画として、すごく満足度の高い作品でした。
他にも面白かったところはいっぱいあって、イヌ子の妹、あかりちゃんの成長とか、懐かしの松ぼっくりの活躍とか、昔のリンちゃんのスクーターの大活躍とか、ゆるキャン△ファンが楽しめるシーンが盛りだくさんで、最高でした!
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