この記事では、ヤングジャンプ 2024 No.34で連載された、テラフォーマーズの63話「NEWTON 力点」のあらすじと感想を語っていきます。
一部ネタバレを含んでしまうので、苦手な方はヤンジャン！でお楽しみください。
前回は、ハンニバルの合理性が明らかに――！？
目次
テラフォーマーズの最新話・64話「NEWTON 力点」のあらすじ（ネタバレ注意）
――ハンニバルの過去。
彼は昔から、「改善への欲求」を止めることができなかった。家族ですら止められないほどに。
絵の値段を高めるために画家を殺し、幼い頃から許嫁に子供を産ませる。
それは全て、あらゆる課題をいち早く解決するため。問題解決に合理的な手段を取り、非効率を知れば改善する――。
彼はそうやって歩んできた。アネックス1号計画を立案したことも、その一環だった。
64話より
（C）貴家悠・橘賢一・集英社
そして、現在。
ハンニバルたちのいる船に、新たな敵が襲い来る。
しかし、ジェットとサムライソードは構わず、ハンニバルへ立ち向かっていく――！
テラフォーマーズの最新話・64話「NEWTON 力点」の感想（ネタバレ注意）
ここからは、個人的な感想を語っていきます！
テラフォーマーズの64話の感想：ハンニバルの掘り下げ
あれ？今週の話死ぬほど面白くない？
別に激しいバトルがあるわけじゃないんですが、個人的にぶっ刺さる要素が多すぎました。
まずは、ハンニバルの過去の掘り下げ。
ハンニバルは一言でいうと、《改善欲》を抑えられない人間というのがわかりました。
”問題”を見ると改善したくて仕方ないハンニバル
64話より
（C）貴家悠・橘賢一・集英社
最近僕は、毎回毎回「ハンニバルいいキャラ過ぎん？」と騒いでた訳ですが、今回で理由がわかりました。個人的にこういう、「何かを改善し続ける」ってキャラが好きすぎんのよ。
ちょっと死ぬほど誰にも伝わらない話をしますが、僕、MTGというカードゲームが大好きでして、その好きな理由が、常に改善をモットーにしてるからなんですよね。
カードゲームと言えば、公式が常にやらかす（ミスする）というのが（一部の）ファンの間の常識なんですが、MTGは割とそのミスに対してオープンといいますか、「私達は〇〇のところが良くなかったです。なので、それを改善するために、今後はこういう方針でやっていきます」ってのを公式がかなり透明性をもって表明してまして、何かあれば、週刊連載の開発者コラムで常に改善の状況を教えてくれるんです。
（ここ数年だと、MTGのゲームバランスが崩れたので、プロゲーマー数人のチーム新たに作って改善したりしてました）
MTGの開発責任者の一人、Mark Rosewater氏
そんなわけで、僕はハンニバルみたいな改善欲の強いキャラは大好きなんですが、それに加えてハンニバルの良いところは、その強い知的好奇心から、ニュートン一族も否定している所
俗っぽい支配欲を根本に動く一族を否定するハンニバル
64話より
（C）貴家悠・橘賢一・集英社
ハンニバルの『会えばドコの株を持ってるだの、ドコの女を妾にしただの……普通の金持ちみてーな自慢話で満足していやがる。（中略）保ってんじゃねぇよ、秩序』というセリフは僕もかなり頷けるところで、ニュートン一族ってせっかくこの世の王になるために能力を磨いているのに、その磨いた能力で結局金に物を言わせて贅沢を尽くすだけなら、高い能力の意味ないじゃんって思っちゃいますよね。能力って、別に目標ではなくて、道具にすぎないわけで、「何か」をするために能力が必要なわけですから、能力だけあっても宝の持ち腐れですよ。勿論、生物の基本欲求である「生き残りたい」「種を残したい」という目標はあると思うんですが、それならなおさら、その優れた能力を実戦の中で使わないと駄目じゃん？能力なんて、使わないと錆びてくばっかなんだからさ。ただただ権力者としてふんぞり返って、人類をゴキブリに差し出しかねない今のニュートン一族はよくわかりません。
そんな人類の敵ともいえるニュートン一族のなかで、こうやってみるとハンニバルはとことん異質ですね。人類を救う「アネックス1号計画」――その立案者がハンニバルということが判明しました。
現代の地球”最大の課題”の改善策を立案したのはハンニバル
64話より
（C）貴家悠・橘賢一・集英社
あー、これは納得ですね。人道に反しているという点も含めて、ハンニバルの考えときいたら凄く腑に落ちます。
いやでもさぁ、確かにM.O.手術（モザイク・オーガン・オペレーション。生存率33～40%）ってのは倫理的にやばすぎるし、僕だったら死んでもやりたくないけど（てか死ぬんだけど）、じゃあ客観的にみて、今の地球のウイルスをほっといていいのか、といえばそんな事ないし、少なくとも被験者は自分たちの意思で（その意思自体が不運な状況によるものではあるけど）、手術してるんだから、ハンニバルのとった行動は、ベストとは言えないまでも、ベター程度には評価できると思うんですよね。ちゃんと自分で金だしてるし。これ、いってしまえばニュートン一族から受け継いだ能力と資産を、惜しげもなく人類貢献のために使ったってことでしょ？一定の評価はされていいと思う。
ちゃんと身銭を切ってるハンニバル
64話より
（C）貴家悠・橘賢一・集英社
てかさぁ、このハンニバルって、うまくいけば仲間に出来ないかなぁ？何がでかいって、ニュートン一族として、他人の命が尊いものだと学習してるのがでかい。
他人の命を無駄に奪うことは効率が悪いと”学んだ”ハンニバル
64話より
（C）貴家悠・橘賢一・集英社
いやまぁ勿論、この後にサムライソードの姉を食っちゃってるわけで、倫理観は相変わらず一ミリも存在してない訳ですが、僕がハンニバルを評価してるのは、他のニュートン一族と違って、人類を敵に回したり、ゴキブリの味方をすることが全くもって悪手だと理解しているっぽいところなんですよね。僕、ニュートン一族の何が愚かに思うかって、人類を売ってゴキブリと結託する部分があったり、あわよくば人類もゴキブリも敵に回して漁夫の利をかっさろうとする態度でして、そんなことしたら、当然、人類もゴキブリも黙っちゃいないじゃないですか？無駄に敵を作りまくるムーブが、その時点で愚かと感じずにはいられません。それに加えて、人類全般って、ニュートン一族の立場から見たら、「超貴重な人材の宝庫」だと思うんですよ。だって、結局のところニュートン一族は、色々な遺伝子を外の人間から手に入れて、発展してきたわけじゃないですか？例えばですけど、仮にまた別のウイルスやらパンデミックが起こったとして、その抗体をもつ遺伝子をもった人間（突然変異）が、仮に死んでいたら、その時点でニュートン一族も詰むわけじゃないですか。ということは、それこそ、自分たちに弓を引く奴らに正当防衛ぐらいはしたとしても、基本的にニュートン一族から見ても人類は多様性に満ちていたほうがいいし、できるだけ人類と仲良くしたほうが、一族にとってもメリットしかないわけですよ。そのあたりの理屈を、少なくとも大多数の一族は理解してないっぽいので（ジョセフがまだ何考えてるかは掴みきれませんが）、そのあたり、愚かに見えてしまいます。
一方で、ハンニバルは他者の感情に共感までは出来ないものの、理解を示すことはできるし、自分や一族の将来的な発展、理屈を考えれば、（少なくとも対ゴキブリという一点においては）協力できるんじゃないかと。もちろん、それはそれとしてサムライソード達にやったことは当たり前にブッコロ案件なので、そこはもう、当事者たちや司法で決着つけるべきですが、この緊急事態においては、ハンニバルと結託するのもけっこう熱い展開じゃね？と思ってしまいます（これはもう、僕がハンニバル好きすぎて甘くなっちゃってるのかもしれないけど）
そんなことを考えてる間に、ついに来ましたよ、第3陣営
おそらくはハンニバルを狙いに来たと思われるクジラゴキブリ
64話より
（C）貴家悠・橘賢一・集英社
キタキタキタキター！この三つ巴感こそ、テラフォーマーズの醍醐味ですよ！この状況がしっちゃかめっちゃかになって、何が起きるかさっぱり読めない感じが大好きです。
相変わらず、非常に先が気になる展開ですが、いつも通り続きは3週間。うーん、早く読みたい！
次回の感想はこちら。
→テラフォーマーズの最新話・65話「CALLING 指名と使命」のあらすじと感想！（ネタバレ注意）
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まとめ
テラフォーマーズの最新話・64話「NEWTON 力点」のあらすじと感想でした！
次回の感想はこちら。
→テラフォーマーズの最新話・65話「CALLING 指名と使命」のあらすじと感想！（ネタバレ注意）
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